シャルドネの家具を造っている工場に行ってきました。
2004年4月、シャルドネの家具を造っている工場へ見学に行ってきました。
行った先は、椅子造りで有名な「飛騨高山」美しい緑に囲まれたところでそこにいるだけでホッと和める場所です。
そんな飛騨高山で造られているのは、シャルドネの家具でも人気NO,1のドルチシリーズ。
誰もが認める座り心地の良さと魅力的なデザインの秘密をご覧いただきましょう!



ある夏の日、「渓流釣りにいかない?」と誘われました。
そういえば、夏休みどこにも行ってなかったし…
だったら、飛騨高山に行こう!せっかく行くのだったら、
前々から行ってみたかった工場見学に行ってみよう!


到着しました。街全体が「家具の街」飛騨高山。
むかし、年貢として物が納められなかった飛騨高山の人たちは、物の代わりに宮大工として技術を納めたそうです。
まわりにナラやブナの原生林が豊富だったことと、宮大工としての技術が合わさって、飛騨高山は自然と「家具の街」になったそうです。
豆知識デシタ。


渓流のお水は透き通るようにきれい。
緑もたくさんで、空気もおいしい!
こんなきれいなお水で育つお魚は
おいしいに違いない!
…期待むなしく、この日の収穫は山女が一匹。
残念。



やってきました。ここが「ドルチ」を造っている「柏木工」
テーブルとイスを造る技術は日本でトップレベルの工場です。



長い船旅を終えて運ばれた木材が運びこまれるところがここ。
まず、使えるものと使えないものに選別されます。
色々な木材がありますがシャルドネで人気のアメリカンブラックチェリーとウォルナットは樹齢がなんと最低200年!
とっても貴重な木材です。その中で半分くらいを占める‘白太’と言う色が白い部分は、ほとんど取り除かれて捨てられてしまうという事実が!?

「貴重な木材だから、外国の人は白太も気にせず、逆にアクセントとして大切に使うのに、日本人は…」と言っていた工場の人の話が心にずっしり…
「日本人はなんて贅沢なんだろう」と感じずにはいられませんでした。
みなさん、ムク材を家具にした場合、必ず白太は入ってきますが、とっても貴重な木材です。アクセントと思って大切に使ってください!
選別されて選ばれた木材は、空気が通るよう木材の間に桟をいれて積み直しされていました。
ここでゆっくり1年から2年かけて、日本の気候に合うよう自然乾燥されていきます。
う〜ん、家具になるのはまだまだ…気が長い話です。



自然乾燥が終わって、つぎに運びこまれるのがここ。
このカギのかけられた大きな部屋(?)の中で、さらにゆっくり1ヵ月から2ヵ月間かけて人工乾燥されます。
何気ないこの乾燥作業も、奥が深かった!
木材も‘生き物’なので乾燥時間も湿度も一つ一つ違うとのこと。
毎日職人さんが綿密にチェックして、条件を決めているそうです。
乾燥が終了したかどうかの見極めは、職人さんの“耳”だけが頼り。
木材が「乾燥できたよ」と音で教えてくれるそうデス。



ここはデザイン室。家具のデザインはもちろんですが、次にでてくる“治具”がここで考えられ、いくつもの試作がつくられるらしい。



ここはいったい何の倉庫?がらくたばっかりと思いきや、これが家具をつくる時に型紙となる“治具”置き場。
たくさんの治具があちこちの倉庫にいっぱい積み上げられていました。



ちなみに、これだけあってイス1脚分!イス1脚でだいたい20〜30個もの治具が必要だと聞いてびっくり。



乾燥して不要な部分を取り除いてやっと材木のかたちになりました。山積みです。





一枚一枚丁寧にのりをつけていって、とっても大きな機械で、ゆっくりとプレス。
ここでやっと家具になる材料ができあがります。








ここから、やっと切り出し作業です。出来上がった板に治具をあわせて、一枚一枚、機械でカット。
丁寧に丁寧に切り出して、それぞれパーツの形になっていきます。






これは何の作業?実は「曲げ木」といって板を曲げる作業です。
木が曲がるって知っていました??知らなかった私はこれにはびっくり。
こうする事によって、弾力性があって、木に粘りがでてくるらしい。
「たくさんの家具工場があるけれども、曲げ木の技術はどこにも負けない!」
と自信満々に言う職人さん。そこまで言うだけあって、確かに技術は日本一!
ドルチを使っているみなさ〜ん、ぜひどこにこの技術が使われているか探してみてください。



ドルチがとっても座りやすい理由。それが“座ぐり”の技術。おしりの形にあわせた微妙な凹凸がなんともしっくりくるのです。
このしっくり感はすべてひとつひとつ職人さんの手作業によるもの。
大切に大切に一枚一枚仕上げられる、気の長ーくなる作業には、ただ、ただ脱帽でした。
こんなに大切に作られている座面。座りやすいはずです。



いよいよ組み立て。やっとイスの形がみえてきました



組み立ててから、さらに仕上げのやすりをかけています。
これもひとつひとつ手作業。いったい一脚につき何回やすりをかけるのでしょう??



さぁ、いよいよ終盤。ワックスを塗りです。ドルチのような天然塗料仕上げの家具は、塗装もすべて手作業。
塗っては拭き取り、塗っては拭き取りを繰り返します。



この場所にはびっくり!宙吊りになったイスの山、山、山
なにかと思えば、この状態で2〜3日かけて塗ったワックスを自然乾燥させます。
これでできあがり!…いえいえ、この塗って拭き取って乾燥させる作業をあと2回、計3回繰り返して、ようやくみなさんにお届けできる1脚ができあがり。



帰りに高山の町をお散歩。趣深い町並みは、何度来てもいいものです。
また遊びにきたいなぁ〜

今回、工場を見学して一番感じたことは、イス一脚の大切さ。
たかがイスかもしれませんが、あまりに多くの職人さんの手仕事によって作られている事に、ただただびっくり!
今までも「いいイスだな」と思っていましたが、大切に作られていく過程を目の当たりにして感動!
さらにさらに愛着がわいてきました。
こんな風に、職人さんに大切に作られた座りやすいイス。これからも自信をもっておすすめしたいと思います。


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